ビジネスシーンにおけるフランス語の重要や、翻訳会社の選び方についてまとめました。
世界では、およそ7,000種類の言語が確認されています。その中でも英語は多くの国で使用されており、世界で最も通じる言語として有名です。
そして、英語に次いで用いられることが多い言語が、フランス語です。
そのため、フランス語は事業拡大をする上で、英語圏の言語対策と同等以上に重要な要素となります。
ここでは、そんなフランス語圏と近年の日系企業の動向、並びに翻訳会社探しのポイントをみていきましょう。
日本とフランス。両国は実生活はもちろん、文化レベルで深い関わりがあります。
日仏関係は17世紀の江戸幕府時代からはじまったとされ、文化の面でもお互いが大きな影響を受けています。
例えば、ジャポニスムです。19世紀に行われた万国博覧会において、日本美術が注目されフランスの美術界にも大きな影響がありました。
実際に、フランスの画家であるエドガー・ドガや、クロード・モネといった画家に影響を与えた作品は多いです。
反対に、日本でもフランス芸術の影響を受けた人は多く、有名なところでは与謝野晶子による作品「みだれ髪」の挿絵にアール・ヌーヴォーにインスピレーションを受けた作品がいくつかみられます。
現代においても、日仏の交流は私たちの実生活に深く根付いています。
日本ではボジョレーヌーボーのようなワインの他、ルイ・ヴィトンやエルメスなどのファッションが人気です。
この他にも、自動車などの工業、サッカーなどスポーツと、江戸時代末期から現代まで、日本とフランスはそれぞれ強い影響を受けているのです。
上記で紹介したように、我々の生活に強い影響を与えた日仏関係は、ビジネスシーンでも深い関わりを持っています。
2016年時点で、大手・中小企業併せておよそ490社の日系企業がフランスに進出しています。
中でも代表的なのが自動車産業と電子工学関連で、進出した日系企業の内、これら産業が過半数を占めているとされています。また、近年では農業・食品産業のフランス進出も増加傾向にあります。
最近ではフランス国内の経済状況について危ぶまれている傾向もあり、進出について考え直す企業も増えてきました。
しかし、これでフランス語を使用する機会を失うということはありません。
企業が翻訳会社を押さえておくべき理由に、フランス語の使用率が挙げられます。
フランス語の使用人口はおよそ1億3,000万人と、数字だけをみれば日本語の使用人数とほぼ同数です。
しかし、フランス語を使っている国の数は、およそ50カ国以上と多くのエリアで使われています。
そのため、フランス語は国際連合や欧州連合でも、公用語としても採用されているのです。
つまり、フランス語を押さえておけば、企業進出の選択肢が50カ国も増えるのです。このように、フランス語対策は海外進出において非常に重要な要素となります。
【ヨーロッパ圏】
フランス、スイス、ベルギー、モナコ、イタリア、ルクセンブルク、アンドラ、ガーンジー島、ジャージー島
【アフリカ圏】
コンゴ、コートジボワール、セネガル、ルワンダ、中央アフリカ、カメルーン、ベナン、マダガスカル、マリ…など
【アメリカ圏】
カナダ、ハイチ、グアドループ、マルチニーク、フランス領ギアナ…など
フランス語は英語と比べ、難易度が高い言語とされています。
その難しさについて、一つひとつ紐解いていきましょう。
英語とフランス語では、発音が大きく異なります。例えば、本場フランスでは「ら行」の発音は、「は行」に近い発音です。発音の仕方としては喉の奥から空気を出すような感じで出すことになります。
そのため、英語と同じ感覚で使うと全く勝手が異なるのです。
さらに、フランス語では「h」を発音しないという点も特徴的です。
フランス語の難しさを象徴しているものに、動詞の多さがあります。
例えば、三人称を表す「they」を用いる場合、フランス語だと性別に応じて分けて覚える必要があります。また、三人称だけではなく、二人称も複数種類があります。
他にも、現在形・過去形・過去分詞形を表す時制も、英語では3通りしかないのに対し、フランス語だと14通りと多くなるのです。
このように、習得しなければならない単語量が多いというのが、フランス語習得の大きなネックとなっています。
フランス語では形容詞を名詞の後ろに表記します。
例えば、アメリカだと青空は「Blue(青い)・Sky(空)」となるのに対し、フランス語では「Ciel(空)・Bleu(青い)」と表記されます。
なお、言葉によっては形容詞が前に出るフランス語もありますが、位置が前後することにより全く異なった意味になることもあります。
そのため、文法や言葉のニュアンスについても、きちんと把握しなければならないのです。
そんな難しいフランス語だからこそ、産業翻訳に関しては注意が必要です。
産業翻訳とは、企業や団体で用いられている文書を訳す仕事のことであり、別名を「ビジネス翻訳」といいます。
ここでは、産業翻訳の中でもニーズの高いジャンルをみていきましょう。
非常に需要の高い翻訳です。アプリケーションやプログラムなど、すべてを翻訳しなければならないので、人数も必要です。
電子決済や株価の動向など、投資の際には絶対に把握しておかなければならない経済情報に関する翻訳が多くなります。
そのため、細かいニュアンスなど、きちんと読み取らなければなりません。
海外で特許取得をする際に必要です。特許取得には多くの書類作成が必須であり、フランスで特許を取る場合はフランス語で記載する必要があります。
近年は特許出願数が増えており、需要が相当高くなっています。
新薬の承認申請書類や説明書、論文の翻訳などが主な翻訳内容です。
専門性が高いこともあり、翻訳会社選びには苦労の多い業界でもあります。
フランス語の翻訳会社を選ぶ上で重要なのは、ジャンルによる使い分けです。
ジャンルごとの得意不得意は翻訳会社によってさまざま。そのため、自社で扱っている商材と関連したジャンルに強い翻訳会社を選ぶのがポイントです。
ひとことで投資関係といっても、外貨取引や不動産運用などスタイルは様々です。それぞれで求められるノウハウや知識は、全く別軸となるのです。
担当者があやふやな知識のままで翻訳してしまうと、誤植などのトラブルにより大きな損害を与える恐れだってあるのです。
そのため、翻訳会社を利用する際は、担当者の経歴や得意分野といったプロフィールも併せて確認するようにしてください。
※公式サイト上で翻訳の実例や取引実績を開示しており、問い合わせ・見積り対応が最短1時間以内の翻訳会社を、掲載されている実績実例数順で紹介 (ケースクエア:127件、NAIway:89件、ユレイタス:62件)※2021年8月調査時点)